俺のtattoo。

 俺の左肩にはtattooが入っている。今年の6月にインドネシアで入れた。入れた動機は単純で、入れたいからいれた。おしゃれだと思ったからいれた。ずっと前から入れたい衝動に駆られてはいたけど、日本はtattooを認めない風潮がある。だから、入れることにためらいがあった。でも、インドネシアで友達が入れてて、勧められたから今しかないと思っていれた。

 入れるって決めてからが長かった。決める前までは入れたいしか思わなかったけど、決めてからは現実的なことを考え始めた。まず、温泉などの公共で露出する施設に行きずらくなること。それから親に言った時にはちゃめちゃに怒られるであろうこと。いろいろなことを想像した。ジャカルタでお世話になった保険会社に勤めている人にも、生命保険に入れなくなるぞと言われた。でも、入れたい欲のほうが勝っていた。

 入れる日の朝は凄いドキドキした。とうとう入れるんだって、なんか大事な試合に行く時の気持ちだった。入れる前にちゃんと声に出して親に謝った。聞いていたのは俺の友達だけだけど。

 意外と痛くないって言われてるけど、普通に痛い。当たり前だ。1秒間に何回も針が刺さってんだから。入れるのに3時間くらいかかった。最初の1時間は枠組みを描くから痛くないんだけど、色の濃いところは何回も針を入れるからマジで痛い。顔にだんだん痛みが出てくる。彫り師は俺の顔を見て気持ちいいだろって言ってきたけど、まったく気持ちよくない。こいつアホなドMだなと思った。

 その2ヶ月後に親がインドネシアに遊びに来た。その時にtattooのことを言った。スパルタの親なので、殴られる覚悟はあった。まずは母親に見せて、その後に父親に見せた。母親は苦い顔をしただけだった。問題は父親。俺は恐る恐る見せた。そしたら、馬鹿じゃねーのとは言われたものの、まーそろそろ東京ではtattooが認められるようになるから大丈夫でしょうって言ってくれた。セーーーーーフって心の中で思った。その後、みんなで海に行った。ビーチには色んな物売りがいる。その中に2週間で消えるなんちゃってtattooを勧めてくるおっちゃんがいた。おっちゃんは俺に話しかけてきたけど、本物が入ってる人になんちゃってを勧めるのはなんか違うと思ったのだろう、隣の父親に話かけ始めた。そしたら父親は「僕tattoo嫌いなんで」って言った。心にぐさっときた。

 tattooってなんかヤバいものに思われているけど、ピアスや整形となんら変わらない気がする。おしゃれの一環として認められていいものだと思う。それに、東京オリンピックも決まって、たくさんの外人が日本に来るのだから、それでtattoo入ってるから温泉入れませんとかなったら、外人は「なんだこの国」って思うだろう。

 ダメダメの国じゃなくて、いいよいいよの国になって欲しい。

Seiru Sato

Don't settle. 考え、行動し、発信する。 面白い話をたくさん出来た人生は楽しい人生と言える。

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