臨機応変だ、thank you, mam. Bye bye.
こっちでお世話になっているMr. Royはアメリカ人だ。彼は2年前にインドネシアに来て、インドネシア人の奥さんと再婚した。その語Mr.Royはこの村で英語講師になった。この奥さんが稀に見る純粋な心の持ち主である。彼女の名前はMam, indah。俺はmamと呼んでいる。
Mr. Roy とmamはFacebookで知り合って、結婚までしたすごいカップルだ。アメリカ人とインドネシア人が結婚してるのは珍しいと思う。Mr. Roy は40代後半のいわばおじさんなのに二人のラブラブ具合は完全に高校生。Mr. Royが生徒と喋っているときもmamはMr. Royの手を握っている。
mamは英語と中国語が喋れる。台湾に住んでいたことがあるから中国語はぺらぺら。今は俺と一緒に日本語を学んでいる。そんなに語学を学んでどうするの?って聞くと、「ただ勉強することが好きで、人で生まれて来れたんだからできるだけたくさんのことを学びたいの」ってたまに見る少し普通とは気質の違う答えをする。そんなmamは本当に澄んだ心をしている。純粋に神様を信じて生きている。
Mr. Royの授業にmamが来ると20分くらいのスピーチをして帰って行く。俺は3セメスター連続でMr.Royの授業を取っていたから何回もmamの話を聞いた。いつもする話が2つある。1つ目は夫の自慢話とラブラブ話。2つ目は今までBye Byeと言ったことのない話。どちらも毎回ほぼ同じタイミングでmamは涙を流す。
mamはBye Byeと決して言わない。毎日別れる時は絶対にsee you againかsee you laterっていう。mamは一度会った人の顔は絶対に忘れないらしい。家族関係が少し複雑である上に、今もこうして素敵な旦那と結婚できていることに凄く感謝していて、だから一度出会った人を家族のようにmamは接する。Bye Byeを言われた後はなんかもう二度と会えないような気がしてしまって、毎回Bye Byeを言われた後に悲しい気持ちになるんだと言う。だからBye Byeって私の前では絶対に言わないでねって言って涙を流す。凄い真剣な顔で言う。ふざけてBye Byeって言ったらマジでヤバそうな顔をする。普段、俺はBye Byeって友達に言うけど、mamには言わないように気をつけている。
このあいだカフェで座っていると、Mr.Roy夫妻が数人の生徒を連れてやってきた。授業の一環でカフェに来て、他の人と英語で会話する練習をしに来たらしい。生徒が喋っている間にmamといろいろな話をした。1時間半くらい経って、生徒が帰って来て、Mr.Roy夫妻が帰るってなった時、俺は何も考えずに「Bye Bye」って言ってしまった。mamに直接言った訳じゃないけど、mamを含めた1グループに言ってしまった。口からBye Byeが出ている時にすでにヤバいと思った。聞こえてないことを願ったけど完全に聞こえてる距離だし、これでまたmamが泣き出したらどうしようって思った。まじで焦った。そしたらmamは笑顔で「Bye Bye」って返して来た。一瞬何が起こったか分からなかった。頭の中で、mamはBye Byeを言わないんだかsee you againを言わないんだかどっちか分からなくなった。でも確かにmamはBye Byeを言ったことがないって言ってたし、確実に今mamは俺のBye ByeにBye Byeで返した。軽いギャグか?いや違う。マジだ。
人の決心はこんなものである。臨機応変なのです。適応能力が大切。Thank you, mam。
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