俺は勘違い野郎。
勘違いしていた気がする。
6月にドイツ人とイングランド人と一緒にインドネシアのジャングルをトレッキングした。予想以上に過酷だった。それまで飛行機が墜落しても、ジャングルで遭難しても、大地震が来ても俺は生き残れると思っていたけど、ジャングルを9時間トレッキングして現実を見た。完全にジャングルで1人だったら死ぬ。アリにさえ殺される。疲れたからといって適当に座ったり立ち止まったりしたら軍隊アリが群がってきて大変なことになる。俺はちっぽけな存在なんだ。
そのジャングルにはオラーウータンを見に行ったんだけど、近づいていいオラーウータンとダメなオラーウータンがいる。すごい貴重な50歳ぐらいの野生のオラーウータンに出会った。遠目から見ただけで完全に俺より一回り以上デカいのが分かった。パンチングマシーンやらしたらボブサップより強いんじゃねーかみたいなオラーウータンだった。イングランド人のおばちゃんが近づくなっていうガイドの指示を無視して写真取りに行った時は、そのまま殴り殺されないかなとも思った。
本当は7時間で終わるトレッキングだったんだけど、47歳のイングランド人が居たから2時間おした。休憩の量が異常だった。おばちゃんのために取った休憩中もおばちゃんはずっと喋ってたからガイドが俺にインドネシア語で「どうやったら休憩中はしゃべるなって、言わずに分かってもらえるかな」って相談してきた。蹴っ飛ばすしかないと思った。
ガイドもガイドで馬鹿だった。オラーウータンを呼び寄せるために「うおおおーーうううーーーううおおうううう」みたいなのをたまに叫ぶ。なにそれ?って聞くとオラーウータンの鳴きまねだという。しかしまったく寄ってこない。本当に鳴くの?って聞いたら、早朝に他のオラーウータンに自分のテリトリーを示すために鳴くんだという。馬鹿かと思った。お前がその鳴きまねしたら、他のオラーウータンのテリトリーだと思って寄ってこないに決まってんだろ。それに、どんなに鳴きまねといってもオラーウータンからしたら偽物であることくらいすぐに分かる。アメリカ人からしたら中国人も日本人も見た目は一緒に見えるかもしれないけど、俺らは分かる。飯食ってるときに、「うおおおーーうううーーーううおおうううう」っていう中国語聞こえてきて、「なんだ?行ってみよ」とは絶対ならない。終いには、他のガイドが発した「うおおおーーうううーーーううおおうううう」にうちのガイドが反応した。こうなったら訳が分からない。おじちゃんが奇声発し合ってるだけだ。
自分はどちらかといったら大人な対応を取れるというか、もう子供ではないんだからいつでも意識せずに大人な対応をして、かっこよく振る舞える人になってると思っていた。クールさは人並み以上にあると思っていた。トレッキングが終わり、宿に着いた時にガイドが「なんか飲むか?」って聞いてきて、めちゃ喉が乾いてたから「コーラ!!」って言ったら、ドイツ人が「one big beer」と俺の横で言った。完全に俺の人間性と言うかクールな男としてのレベルを凌駕するクールさを彼は持ち合わせていた。上には上がいる。ドイツ人よ俺を成長させてくれてまじでダンケ。
俺は勘違い野郎だ。もっと成長しなくては。
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