言葉が作り出した罪なきセクハラ

 ストレスって感じたことありますか?そもそもストレスってなんなんだか分かりません。自分は今までストレス感じてるわーって思ったことは本当に1、2回しかありません。そのうちの1回が先月でした。今自分が住んでいる村は日本人が自分しかいません。外人は自分入れて3人です。ドイツ人、アメリカ人、日本人。そのために外人を見るとここのインドネシア人はすごい興味を示します。食堂やカフェに行ってもただ歩いているだけですごい見られます。最初は有名人のような気分でよかったのですが、今となっては少し“ストレス”に感じています。女の子とか小さい子とか明るい子は気軽に話しかけてくるのですが、なんか気取ってる奴とかヤンキーぶってるやつはただただ俺をジロジロ見てくるだけでなにも話しかけてきません。話しかけたいけどなんか恥ずかしいというか自分から話しかけるのが嫌だオーラが凄い伝わってきます。たまにこっちから「hallo」と声をかけると、お前になんか興味ないぜみたいな感じで「Hi」って言ってきます。話しかけないでおくと、俺が10メートルくらい離れてから「huuu, japaneeeese」って遠くから言ってくるからたまに腹立ちます。中2すぎて腹立ってました。そのうち何も話しかけないでじろじろ見られることにもなんかイライラを感じるようになりました。その時これがストレスなのかと感じました。

 しかし、これがストレスなのかと感じたと同時に、ストレスっていう言葉を知らなければ多分俺はストレスだなって感じることもなかったんだろうなとも感じました。よくいろんな人達が「ストレスやばいわー」とか言ってるのを聞きますが、ストレスという言葉を知らなくても同じことを感じていたでしょうか。もちろん“ストレス”という言葉を知らないからストレス感じるわとは思わないでしょうけど、少なくともここまでストレスを感じることはないんじゃないでしょうか。言葉が症状をより深刻なものへと強めてしまっている気がします。どんな症状や感情もストレスと言ってしまえ的なものを感じて仕方ないです。ストレスという言葉があるから人がストレスを感じやすくなっているんじゃないでしょうか。

 自分は言葉が本来のものを強めてしまっているケースをセクハラの場合にも感じます。10年前にセクハラという言葉がこれほどまでに広まっていたでしょうか。確かにセクハラという言葉は10年前にもありましたが今使われているセクハラよりかは単純なものだった気がします。今いろんなものが〇〇ハラスメントと言ってしまわれています。パワハラ、アルハラ、モラハラ、マタハラなどがメジャーなところであります。今となってはよく言われている言葉ですが、当時は何それって感じでしたよね。でもこれらの〇〇ハラスメントと言われているものはほとんどがコミュニケーションの一環から来ています。コミュニケーションの中での表現が〇〇ハラスメントと取りあげられてしまっているだけで、ハラスメントという言葉がなければこのような問題も取りあげられることは無かったように思えます。

 ブラハラって知ってますか?会話が詰まった時によく血液型を聞いて、「A型ぽいわー」とかいうしょうもないくだりありますよね。地球上で1番くだらない時間です。この血液型で判断されることをブラッド・ハラスメントというそうです。男性の皆さん、このしょうもないくだりがダメになりましたよー。話上手になりましょう。

 でも、こんなことまでもハラスメントといわれてしまうとどんどんコミュニケーションツールがなくなっていってしまいます。5年後とかには生きてることがハラスメントになりませんかね。

 ストレスもハラスメントもその言葉が作られてしまうがために、私たちの行動がその言葉にカテゴライズされてしまい、言葉に行動が縛られるという状況が起こっています。本来この言葉がなかったらカテゴライズされずに、見過ごされていたはずのものが、こうやって言葉がでてくるにつれて顕著になってきてしまっています。これらの言葉を意識しすぎて本来カテゴライズされるべきでないものさえも、ストレスやハラスメントとしてカテゴライズされてしまっています。最初は被害を表す言葉だったはずなのに、この言葉によって被害を被る人達が出てきています。ストレスやハラスメントという言葉で一概にカテゴライズしてしまうのはやめましょうよ。本来その言葉に属さないものがたくさんあります。あなたもヤリちん・ヤリマンって言われていい気分はしないでしょう。そんなやってないって?やったことには変わりありません。カテゴライズされてしまうのです。ヤリちん・ヤリマンです。そうです、これがセクハラです。

 


Seiru Sato

Don't settle. 考え、行動し、発信する。 面白い話をたくさん出来た人生は楽しい人生と言える。

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