命の無い物にも愛を。
今日友達のAtoからされた話をしたいと思います。実際は英語でされたんだけど、日本語で書きます。
「この地球には文明に触れないで自分たちのルールや文化だけで発展してきた民族がたくさんある。ぼくの知ってる村の話をしてあげるよ。その村は男の数がものすごく少ない。ほとんどが女性で構成されている村なんだ。それにこの村は都市の文明に触れてきていなかった。でも、時代が進むに連れて、この村にも都市の物が入るようになってきてしまった。でも、その物の名前を彼女たちは知らない。ただ使い方だけを知ってるんだ。ある日、都市から一人の男がこの村にやって来た。彼は首からカメラをさげていかにもシティーボーイって感じだった。彼はこの村に少しの間滞在することにした。男が少ない村だから彼はすごく歓迎された。でも、この村の女性たちは彼の持っている物には最初興味を示さなかった。それが何か分からなかったから。ある日、村の女性たちが庭で作業をしているとどっかから“カシャッ”っていう音がした。彼女たちはなんの音か分からなかった。男がこちらに何かを向けているのが見えた。一人の若い女性が彼に近づいて行って、それは何か尋ねた。彼はカメラだと答えた。彼女はカメラというものを初めて見たし、聞いたことも無かったので、カメラとはなんだと男に聞いた。男はこの女性が興味津々でとても知りたがっているのを見て、もし知りたいならほっぺにキスしろと言った。彼女はキスした。男は写真を撮る物だと言った。その女性は次に写真とは何か聞いた。男は知りたかったら口にキスしろと言った。女性はさっきよりも長く口にキスをした。男は写真を説明した。次に女性はカメラの使い方を聞いた。男は知りたかったらフェラをしろと言った。女性は好奇心が勝って、すすんでフェラをした。ところで星流、tentongって知ってる?」
「知らない」
「知りたい?」
「何それ?」
「じゃー、そのペットボトルのキャップにキスして」
そのペットボトルはさっきまで蹴って遊んでたやつで、しかも今はゴミ箱に入っていた。少し考えてマジかって顔したら、女性はキスしたよって言ってきた。まーこういうことはあいにく慣れていたので、渋々キスした。どうせインドネシア語の下ネタかなんかだろうと思った。そしたら教えてくれた。彼の出身地のフルーツの名前だった。
こんなつまらない話ありますか?せめて下ネタだったら笑い話になるけど、フルーツの名前って。絶句を通り越した。この嘘話に使われた登場人物もかわいそうだし、この話を真剣に聞いてた時間なんだったんだ。
なんか、よくわからない感じにつつまれた。なんか機転を利かせてその話をどうにか方向転換させればよかったんだけど、そもそも2mlしかガソリン入ってなかった車をこれ以上走らせるのは無理だった。給油口開けてダメ元でサラダ油を注いでみた。「チンチンって知ってる?」「知らない」「知りたい?」「知りたくない」キーを抜きやがった。なんか俺がすべったみたいになった。
ぎこちない感じで彼との会話を終えた。このぎこちなさを飯を食いながら考えた。そもそも彼は俺にこの果物を教えたかったのか、ただこのくだらない話をしたかったのか。もしこの果物を教えたかったなら普通に教えれば良い。そうじゃないとしたらたぶん彼は俺にこのくだらない話をして、笑かそうとしたんだろう。そう考えたら、さらにざわざわした。
ペットボトルもかわいそうだ。空になった後に人間に口づけされるなんて思ってもいなかっただろうに、捨てられたはずのゴミ箱から突然拾い上げられて、瞬く間にキスをされた。このペットボトルはくびれているタイプのだったから多分ペットボトル界ではメスだろう。製造過程ではキスされるはずもない彼女がいきなり俺にキスされて、おそらく彼女のハートはドキドキだったに違いない。俺はいけない男だ。思わせぶりをさせてしまった。いや、でももともとキスされるために生まれてきた訳ではないペットボトルに新しい経験をさせてあげた。いや、待てよ。俺はしろと言われたからしただけだ。あれ...俺の友達がここまで計算してこの話をして、ペットボトルにキスさせていたとしたら…出来男すぎる。命の無い物にまでキスを経験させることのできるトーク力。彼がちんちんを知りたくないと言ったのも、これ以上ペットボトルに複雑な思いをさせないためだったのかもしれない。恐れ入った。俺は決めた。くそつまらない話をしてちんちんの意味をあえて聞かずペットボトルにもキスを経験させてあげれる立派な男になる。
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