日本人の持つ”無意識の価値観”

 日本人のパスポートが高値で売れるのは知っていますか?よく言われている話です。


 なぜ高値で取引されているのでしょうか。大きな理由は二つあって、一つはビザなしで入れる国が多いから。しかもアジアで唯一です。もう一つは、パスポート上全ての国に行けるからです。普通は入国できる国が制限されているのですが、日本のパスポートはどこの国にも入れます。パスポートの3ページ目に「This passport is valid for all countries and areas unless otherwise endorsed.」

 また、少し付け加えると、日本人は日本語を喋り、英語が苦手という点も大きいかもしれません。例えばイギリスに入る時にアメリカのパスポートで入ると、必然的に英語がペラペラでなければいけません。しかし、日本のパスポートを持っていれば、英語ができなくても何も疑われません。

 このような点が一般的には日本のパスポートが高値で取引されている理由だとされています。

 この間、とある会長職の方に日本人のパスポートがこんなにも高値で売られている価値のあるものである根本の理由を教えていただきました。もちろん先に挙げた2つの理由もあるのですが、もっと根本の理由です。価値があるということ、どこの国にでも入れるということは、信頼されているということです。

 そもそも、敗戦国の日本がここまで復興して世界三大都市東京がある国になっているのはおかしくありませんか?なぜ敗戦国の日本がここまで価値のある国として世界に認められるようになったのか。この理由を聞いた時、自分は「確かに、なるほど」と思いました。

 日本がこんなにも評価されている理由は私たちの「心」、もっと具体的に言うと無意識に感じる価値観が世界から評価されているんです。

 今年で2016年になりましたが、この年数はキリストが生まれてから数えた西暦です。では日本という国はいつからあるのでしょう。それは初代天皇の神武天皇の時からです。キリストが生まれる660年も前から日本はあり、天皇が存在していました。初代の神武天皇から現在の平成の天皇まで血が繋がっているわけです。この天皇家の存在が日本の凄いところだとされています。

 世界一の国アメリカは大統領制なので血が繋がっているわけがありません。中国も王朝が何度も滅びているので血は繋がっていません。

 世界から見て、これは凄いことなんです。なぜか。

 私たち日本人からしたら天皇家の血が代々繋がっていることは当たり前中の当たり前です。しかし、なぜそれが世界から評価されているのか。それは、世界から見た時、血の繋がりなんて必要ないからです。

 確かにそうです。日本をいい方向に導いてくれる優秀なトップであれば、血の繋がりはあまり重要じゃなく思えます。しかし、私たち日本人はどうしても天皇家の血の繋がりを途絶えさせることは、やってはいけないことだという価値観があります。

 この価値観は日本人の中に初めから根付いている価値観です。なんでも便利になってきて効率化が求められている時代なのに、なぜか伝統をまだまだ重んじるところが日本にはあります。矛盾していることなのですが、これも天皇家の血筋と同じで、別に理由はないけど途絶えさせてはいけないんだという”無意識の価値観”が働いているからなのです。

 本当にささいなことにもこの日本人の”無意識の価値観”は働いています。年賀状や暑中見舞いのはがきは日本の文化です。しかし、若い世代の人たちはメールで済ませてしまったり、時には何もしないことがざらにあります。自分もです。でも、そういう人たちに年賀状や暑中見舞いの文化って無くなっていいのかと問うと半分ぐらいの人はダメだと言います。理由を聞くと日本の独自の文化だからとか綺麗事ばかりです。何で無くしたらいけないと感じるかというと、私たちが日本人だからなんです。”無意識の価値観”が働いているからです。なぜか分からないけど、ダメだと感じるからダメなんです。

 この自分たちが持っている日本人としての無意識の価値観が世界に評価されて、信頼されているんです。だから、日本人は凄いと言われるんです。

Seiru Sato

Don't settle. 考え、行動し、発信する。 面白い話をたくさん出来た人生は楽しい人生と言える。

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